Republic of Blivia 首都　スクレ 政府所在地　ラパス 人口　850万人 公用語　スペイン語 国家元首兼政府首班　大統領ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ (8月にホルヘ・キロガ・ラミレスから交代) 死刑制度　通常犯罪に対して廃止 国際刑事裁判所設置規程　批准

2002年初めにエル・チャパレ地区の情勢が悪化した。農民と治安部隊とのあいだに武力衝突が起きて、農民4人が殺害され数人が負傷した。数十人の労働組合活動家が逮捕された。治安部隊隊員による恣意的な逮捕と被拘禁者への虐待の報告があった。人権擁護活動家が引き続き嫌がらせや襲撃を受けている。

背景
　6月、大統領選挙と議会選挙が行なわれた。絶対過半数を獲得した候補者がいなかったため、議会は民族革命運動(MNR)のゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダを任期5年の大統領に任命し、彼は8月に就任した。議会選挙の結果、社会主義運動(MAS)から出たコカ葉栽培者エボ・モラレスが率いる政治勢力が農村地方の左翼票を集めて大きく成長した。MASが下院で2番目に多い議員数を獲得したことにより、先住民社会が初めて議会で強い発言力を持つに至った。

エル・チャパレ地区
　米国政府と調印した合意事項を実施するための政府の方針であるコカ葉栽培の強制的な撲滅作戦、エル・チャパレ地区の軍事化、コカ葉栽培に代わる作物開発の失敗などにより、農民と治安部隊との間で対立が生じた。
　1月、政府がコカ葉の乾燥、運搬、売買を禁じる最高政令26415の実施を決定した後、コチャバンバ県のサカバとシナホタにおいて農民と治安部隊との間で武力衝突が起きた。
　この際、農民3人が殺害され、治安部隊隊員を含む数人が負傷した。目撃者によると、犠牲者の1人である農民のマルコス・オルティス・ジャノスは治安部隊隊員に射殺された。
　治安部隊隊員4人が正当性の疑われる状況で殺害された。そのうち2人には拷問の痕跡があった。報告によると、80人以上の組合幹部が逮捕され、拘禁中に殴打されたため医学的治療を必要とした。
　2月、ローマ・カトリック教会、人権オンブズマンおよび人権団体である常設人権会議(APDH)の仲介により、コカ葉労働組合幹部と政府との間で合意が成立した。これにより最高政令26415は停止され、殺害と虐待の訴えに関する調査が開始されたとの報告があった。エル・チャパレ地区で進行中の紛争による被害者に対する賠償金の支払いが発表され、投獄されていた組合幹部が釈放された。
　10月、コチャバンバ県イチョアで農民と治安部隊との間でふたたび衝突が起きて、農民のサビノ・トレドが殺害され、治安部隊が過剰な力を行使したと思われる状況下でさらに3人の農民が発砲により負傷した。

拘禁・虐待の状況
　刑務所の状況は依然として極めて劣悪である。過密状態、不衛生な設備および不充分な医療が懸念されている。刑務所と拘禁施設において警察による被拘禁者への虐待が続いている。
・コチャバンバ県アブラ男性刑務所に拘禁されている被拘禁者たちが、他の被拘禁者たちから肉体的暴力や強奪を受けたのと同じく、刑務所職員からも虐待を受けたと申し出たという。
・1月、APDHと人権オンブズマンは、若い女性被拘禁者が専門司法警察監房を出た後、腰から下が裸の状態で発見された事件の調査を要請した。彼女はまた知らないうちに多くのすり傷を負っていた。彼女はヴィエドマ病院で数日間治療が必要であった。その被拘禁者は強かんされたか、あるいは性的暴行を受けたのかは確かでない。検査結果は決定的ではない。医学的検査や試験は若い女性の逮捕後4日以内には実施されなかった。
　サンタ・クルス州サンタ・クルスにある軍事施設内の徴集兵への虐待が報告された。報告によると徴集兵たちは暴力的な罰や性的虐待を受けたという。

人権擁護活動家
　人権擁護活動家は、人権侵害を非難したとして、また被拘禁者を支援し、また土地紛争に関連して先住民団体のメンバーを支援したとして、引き続き脅迫や嫌がらせを受けている。

アムネスティ報告書
Bolivia: Open letter to Presidential Candidates (AMR 18/007/2002)
Bolivia: The need to protect human rights defenders (AMR 18/004/2002)

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