チリ共和国
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Republic of Chile
首都 サンティアゴ
人口 1540万人
公用語 スペイン語
国家元首兼政府首班 大統領リカルド・ラゴス
死刑制度 通常犯罪に対して廃止
条約批准・署名 死刑廃止をめざす自由権規約の第2選択議定書、武力紛争への子どもの関与に関する子ども権利条約の選択議定書、死刑廃止に関する米州人権条約議定書
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平和的なデモ参加者に対して警察が過剰に力を行使した。多くの参加者が逮捕され、報告によると虐待を受けたという。土地使用をめぐる紛争が長期化し、先住民族の人びとと警察の間で緊張が高まっている。チリ国内外において過去の人権侵害を明らかにしようとする司法の取り組みが続けられた。
背景
5月、通常犯罪に対し死刑を廃止する法が成立した。第2、第3、第7州で新しい刑事訴訟法が漸進的に施行された。この新法は首都州では2004年に施行されることになっている。
司法府と政府は
軍事政権下での「失踪」の問題への対処を続けている。約150件を調査する特別判事が任命された。リカルド・ラゴス大統領へ1973年から76年のあいだに逮捕された180人の名前と20人の身元不明者に関するものなど、軍から情報が提供された。その情報によると犠牲者の大部分は国内の海や河、湖に投げ込まれたという。こうした情報はチリの法廷が調査に着手するために最高裁長官に渡された。人権団体はこの情報では不十分で文書による十分な裏付けのある証拠に矛盾している事例もあると厳しく批判している。
虐待と過剰な力の行使
警察軍(カラビネロス)が平和的なデモを中止させるときなどに、過剰な力を行使していたことが報告されている。多くの抗議活動者たちが逮捕時やサンティアゴの警察署での拘禁中に虐待を受けたと報告されている。 -
3月、アンドレア･マルティナ・オリバレス・ディアスは平和的なデモの最中に約30名の参加者とともに逮捕された。彼女は警察の車に引きずり込まれ、そこで侮辱され、繰り返し触られ、締め付らけて痛みを受けた。彼女は第3警察署に数時間拘禁され、その間食べること、飲むこと、トイレに行くことも許されなかった。彼女は逮捕の理由を告げられず、釈放される前にいくつかの文書に署名をさせられた。 -
4月、マルタ・アルバン・オチョアは、ペルーにおける人権侵害に反対するデモに参加中にカラビネロスによって逮捕された。
彼女や他の人びとはバンの中に連れ込まれ、殴られ侮辱された。彼女はプロヴィデンシアにある第19警察署に拘禁され、そこでようやく彼女の傷を医師
の診察を許された。彼女はその後釈放された。
先住民族
南部での長期にわたる土地使用をめぐる紛争のために警察と先住民族の人びとの間で緊張が高まっている。警察はデモや取り締まり活動中に過剰な力を行使したと報告されている。
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1月、第8州での平和的な土地の権利のためのデモの最中に、カラビネロスと私服の警官たちは、抗議行動者たちにゴム弾や催涙ガスを放ち、多くの人びとを殴打したと報告された。パスキュアル・コナ先住民社会
のマプーチェ族の一員である、アブラハム・サンチは右の目を撃たれた。この事件について調査が開始されたかどうかは明らかでない。 -
5月、調査警察のメンバーたちが
第8州ティルアの社会保安事務所で人びとの列、ほとんどがマプーチェ先住民族の人びとだった、を撃った。警察官たちは彼らを逮捕しようとしていたようである。4人が負傷した。この銃撃についての調査が開始されたという。 -
10月、第8州にあるラフケンチェ先住民族の一員たちが、公式に先住民族社会から抗議されている木材会社の所有する場所で宗教上の儀式を行なおうとした。カラビネロスによってその場所へ入ることを阻止されたため、参加者たちは家へ戻ろうとした。しかし参加者たちはカラビネロスを含む治安部隊に囲まれ、そこで数時間拘禁された。隊員たちは圧縮空気を撃ち、彼らを苦しめた。先住民族社会は地方政府に申し立てを提出した。
共産党員
11月、グラディス・マリン共産党事務局長他多くの共産党員がサンティアゴの党本部を追い立てられた際にカラビネロスによって殴られた。逮捕された人もあったが、起訴されることなく釈放された。この件については捜査が開始されたとのことである。
過去の人権侵害についての進展
チリ国内外において、過去の人権侵害の調査に進展が見られた。
アウグスト・ピノチェト
1月、1973年の「死のキャラバン」事件として知られる軍事行動による75人の犠牲者の「誘拐・加重殺人」の加害者として元大統領アウグスト･ピノチェトはチリで自宅軟禁に置かれた。3月、サンティアゴ控訴裁判所は起訴決定の取り消しを求めるピノチェト側の訴えは拒否したが、自宅軟禁を解くことを決定した。そして彼に対する起訴事実を「加害者」から、犯罪の「隠蔽者」へと弱めた。7月、サンティアゴ控訴裁判所第6法廷は健康上の理由からアウグスト･ピノチェトに関する法的な手続きを「一時的に保留した」。8月、最高裁判所はこの事件の一時的な保留を不服とした検察側の提訴について考慮することを決定した。裁判官が首都州でまだ発効していなかった新しい刑事訴訟法によって決定を下したということがその根拠である。2001年末の時点でこの件はチリ国内法廷で未解決のままである。
アルゼンチン「コンドル作戦」
コンドル作戦として知られるアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、パラグアイとウルグアイの南米南部6カ国の軍事政権当時の秘密の共謀についての調査がアルゼンチンで始められた。これは、拷問、「失踪」そしてしばしば殺害といった人権侵害から逃れてきた亡命者たちを、母国へと強制送還するものであった。
6月と7月、アルゼンチンの連邦判事は何人かの元官僚たちを、組織的な「失踪」などの不法行為に加担する計画に関わったことで起訴する2つの法的な決定を下した。何人かのウルグアイの元軍人が起訴され、アルゼンチン、パラグアイおよび元チリ大統領アウグスト・ピノチェト、元チリ情報局局長マニュエル・コントレアスや元大佐ペドロ・エスピノザを含むチリの元軍人の名前が挙げられた。7月の決定で、判事は引き渡し要求が係争中であるアウグスト･ピノチェトの予防拘禁を求めた。
プラッツ夫妻の調査
5月、アルゼンチンの判事がチリに対して、1974年ブエノスアイレスで
、当時のチリ陸軍司令官カルロス・プラッツとその妻が殺害されたことに関して元大統領アウグスト・ピノチェトの引き渡しを求めた。8月、チリ最高裁判所は引き渡しと殺害に関してアウグスト・ピノチェトへの尋問要請を拒否した。10月、この殺害に関して5人のかつてのチリ国家情報局(DINA)の元メンバーが逮捕された。カルロス・プラッツとその妻の件はコンドル作戦に関するアルゼンチンでの調査の一環でもある。
アムネスティ報告書
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年次報告書2002 その他の国へ
ペルー共和国 ボリビア共和国
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