アムネスティ･インターナショナル　ニュース・リリース
AI Index: MDE 28/010/2001
解禁日: 09/11/2001

　2001年11月8日、「失踪」者の家族100人が、アルジェリア東部の街コンスタンティーヌでデモのために集まった際、治安部隊によって暴力的に追い散らされた。4人の女性が警棒で殴られ、その他の人びとが侮辱され、脅迫された。

　コンスタンティーヌでは10月、治安部隊のメンバーは、幾度かに渡って、「失踪」者の家族がアルジェリア政府に対し彼らの愛する人の運命に光を当てるよう求める平和的な抗議行動の実行を妨害した。この事件は家族を脅迫する試みが拡大していることを示しているように見える。

　 アムネスティはこの事件を憂慮しており、アルジェリア政府に対し「失踪」者の家族に平和的デモの権利を実行することを許可するよう要請する。特に、政府は治安部隊が「失踪 」者の家族を虐待・脅迫・威圧しないよう保証する必要な手段を取るべきである。

　11月8日午前9時半から10時までに、「失踪」者の約100もの家族が、地方行政府であるコンスタンティーヌのワリ（知事）庁舎の前に、それまで1年以上毎週火曜日に組織しているデモを実行しようと集合し始めた。その時の家族たちの大部分が「失踪」者の母たちであったが、彼女たちは数十人の治安部隊の制服を着たメンバーがすでに庁舎の外に配置されていることに気付いた。

　治安部隊メンバーは家族たちにこの場所から立ち去るよう命じ、彼女たちを力ずくで追い散らした。4人の「失踪」者の家族の女性が警棒で殴られた。他の人たちは「失踪」した家族についてデモを続けるならこの攻撃を行なうと脅迫された。

　ある「失踪」した男性の妻、ナイマ・サケルは、この状況を他の人に警告しようとし、電話ボックスから無理やり引きずりだされた。彼女の夫、サラー・サケルは1994年5月コンスタンティーヌの自宅で警察官によって逮捕された後、「失踪」した。家族は、コンスタンティーヌ警察がサラー・サケルを逮捕し彼を地元軍調査センターに移送したことを立証する警察発表のコピーを、なんとか手に入れることができた。しかしながら、家族は彼の運命や行方についてどんな情報を手に入れることができなくなった。すべての証拠が手元にあるにも関わらず、この事件についての司法手続きは開始していない。

背景情報

　1993年以降、特に1993年から1998年の間に、アルジェリアにおいて約4,000人の男女が治安部隊による逮捕後に「失踪」した。彼らの家族は以降その行方についての情報を探し続けている。家族は警察署、軍施設、刑務所、死体安置所、共同墓地へ行き、司法当局に請願書を提出し、政府、議会、大統領に要請をしている。政府は繰り返し「失踪」者の調査を実行すると公約しているにも関わらず、十分に独立した調査が行なわれた個人の事件は1つもない。

　長年多くの「失踪」者の家族は公の場で抗議することを非常に怖がっていた。しかしながら1998年8月から、数百人もの家族が、特に母親たちであるが、首都アルジェやその他の街で、失った愛する人の情報を求めるデモを定期的に実施し始めた。この抗議行動は通常実施が許可されているが、この3年、治安部隊が強制的にデモを壊し、家族たちを殴ったり虐待したり、また逮捕したりしている。
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