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2022年3月9日
モロッコの著名な人権擁護活動家が、ここ数カ月、NSOグループのペガサス・スパイウェアの標的になっていることを、アムネスティ・インターナショナルは明らかにした。
アムネスティ・セキュリティ・ラボによる分析で、2021年11月に、サハラーウィの人権擁護活動家アミナトゥ・ハイダールが所有する2台の携帯電話が標的となり感染したことが判明した。ペガサス・プロジェクトの暴露が世界に衝撃を与えたわずか数カ月後のことである。
「わずか数カ月前にアミナトゥ・ハイダールがペガサス・スパイウェアの標的にされたという事実は、NSOグループのような企業が適切に規制されない限り、人権侵害を促し続けるだろうとさらに証明しています」とアムネスティ・テック副所長のダナ・イングルトンは話した。
「この最新の発覚は、NSOグループの人権方針が実際に無意味だと示しています。アムネスティは、モロッコで2019年以降、ペガサス・プロジェクト調査における十数カ国と同じく、ペガサス悪用のフォレンジック証拠を繰り返し示してきましたが、NSOグループはモロッコでそのツールによって引き起こす進行中の人権侵害を防ぐために何の行動もとっていません。」
「NSOグループは、アミナトゥ・ハイダールや、モロッコと西サハラの他の勇敢な活動家たちを標的としたその役割について責任を取らなければいけません。」
アミナトゥ・ハイダールは西サハラ出身の人権擁護活動家である。2008年にロバート・F・ケネディ人権賞、2009年に市民勇気賞、2019年にライト・ライブリフッド賞を含む、平和活動で複数の賞を受賞している。
彼女の携帯電話が国家の支援を受けた攻撃者による標的となっている可能性があるというアップル社からメールでセキュリティ警告を受けた後、アミナトゥ・ハイダールは、ライト・ライブリフッド財団に連絡し、フォレンジック分析のためにアムネスティのセキュリティ・ラボに紹介された。そしてセキュリティ・ラボは、NSOグループのペガサス・スパイウェアに狙われ、感染していることを確認した。
アムネスティの分析では、ハイダールの携帯電話のうち1台は2018年9月まで遡るペガサスの標的となった痕跡があり、さらにもう1台は2021年10月と11月に感染の痕跡があることが判明した。アムネスティは、ハイダールの電話のフォレンジック記録をトロント大学のシチズン・ラボの研究者と共有した。そこでも2021年10月と11月のペガサス感染を独自に確認した。
これは、モロッコと西サハラの市民社会が今もペガサス・スパイウェアで不法に狙われていることを明確に示している。アムネスティが悪用の広範な経歴を記録しているにもかかわらず。 |
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人権擁護活動家へのこれらの攻撃は、モロッコにおける平和的な反対意見の弾圧強化の一環である。モロッコでNSOグループのツールの継続的悪用は、モロッコ当局が表現の自由、結社の自由、平和的集会の自由の権利を尊重・保護することに失敗していることを示している。
その上、NSOグループがツールの悪用への繰り返しの不作為は、人権侵害に加担しないという人権責任に失敗していること、被害を軽減するために適切な人権デューディリジェンスを行わなかったことを示している。
アムネスティは複数回NSOグループにこれらの侵害の詳しい証拠を提供した。最初は2019年10月のマアティ・モンジブとアブドゥッサーデク・エル・ブシャターウィのケースで、2020年6月のジャーナリストのオマル・ラーディーのケース、2021年7月の亡命中のモロッコ人ジャーナリスト、ヒシャーム・マンスーリーと、モロッコで投獄されているサハラーウィ活動家ナアマ・アスファーリーのパートナー、クロード・マンジャンのケースを含むペガサス・プロジェクトの暴露で。
モロッコ当局は、「重要な証拠がない」と言って、この最新の成果に異議を唱えた。NSOグループは、公表時までに回答していないが、モロッコ当局がこの技術を使用しているかどうかは、肯定も否定も以前から拒絶している。
ペガサス・プロジェクトの最初の暴露以来、パレスチナ、エルサルバドル、ポーランド、ベルギーを含む各国のターゲットが明らかになり、NSOグループのペガサス・スパイウェアを使用した広範な侵害や暴力が浮き彫りになっている。
「NSOグループのようなスパイウェア企業は、自らを規制すると信頼できません。私たちは、人権の規制の枠組みが実施されるまで、スパイウェア技術の販売、移転、使用をすぐに一時停止することを再び要請します」とドナ・イングルトンは話した。
背景情報
西サハラは、1975年に併合し領有権を主張するモロッコと、領域内の独立国家を求め、アルジェリア南西部のティンドゥーフ難民キャンプ内で亡命政府と自ら主張するポリサリオ戦線の間で領土紛争がある場所である。
1991年の国連による〔停戦〕合意は、モロッコとポリサリオ戦線の戦闘を終結させたが、西サハラの人びとが独立かモロッコへの併合かを選択する住民投票を要請した。この住民投票はまだ実施されていない。近年、人権状況が悪化し続け、外部からの監視のための西サハラへのアクセスはますます困難になっている。
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