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2021年3月4日
エジプト当局は、約2年間の若い母親とその幼児の強制失踪、およびその夫であり幼児の父親の現在も続く強制失踪について、迅速、効果的で独立した調査を実施しなければならないと、アムネスティ・インターナショナルは発表した。
アムネスティは、また当局に対し、この母親を虐待的な裁判前拘禁から直ちに釈放し、受けた暴力や損傷の深刻さに見合った適切な救済と賠償を得る家族の権利を保証するよう要請している。
「エジプト当局は、政府に反対し、あるいは批判したとみなした人びとを強制失踪させ、拷問するという長い残酷な実績があります。しかし、若い母親と1歳の赤ちゃんを捕らえ、23カ月間、法の保護なく外部との接触を絶って監禁することで、反対意見を排除し、恐怖を植え付けるキャンペーンが、新たなレベルの残虐性に達していることを示しています」と、アムネスティ中東・北アフリカ調査アドボカシー・ディレクター、フィリップ・ルーサーは話した。
「これら非良心的な残酷な行為は、拷問やその他非人道的取り扱い、強制失踪の完全禁止を含む、エジプトの人権義務に違反し、国際法では犯罪となります。責任者を公正な裁判で裁き、被害者への十分な補償を保証するために、これらの犯罪への緊急に独立した効果的な調査をしなければなりません。」
国家安全保障局（NSA）の局員たちは、2019年3月9日、アレクサンドリアの自宅で、大学教員のマナール・アデル・アブ・エル=ナガ（27歳）、夫のオマール・アブデルハミド・アブ・エル=ナガ（27歳）、1歳の男児アル=バラアを捕らえた。ひどく苦しんだ家族や弁護士は、この2年間彼女たちを探すために無駄な努力を続けてきた。2019年7月、彼女たちの居場所を明らかにするよう内務省に命じる行政裁判所の判決にもかかわらず、内務省は拘束していることを繰り返し否定した。
2021年2月20日、マナール・アデル・アブ・エル=ナガは、最高国家安全保障検察局（SSSP）に現れた。これは国家安全保障犯罪の捜査に責任のある検察の特別部である。彼女は「テロリスト・グループへの参加」と「テロリスト・グループへの資金提供」について尋問を受けたが、彼女は否定した。
アムネスティが公表した他の強制失踪事件でのNSAのやり方に沿って、治安機関は彼女の逮捕日を偽り、SSSPに出現した2日前に逮捕されたと言うよう圧力をかけた。彼女は監禁されていた場所から連れ出され、直接検察官のところに警官が同行した。SSSP建物内にいた弁護士は彼女の尋問に随行したが、彼女と相談したり、彼女の事件簿を調べたりすることは許可されなかった。検察官は、さらなる捜査のために彼女を15日間拘留するよう命じた。弁護士たちや他の情報筋によると、彼女に対する訴訟は、NSAの秘密捜査と、彼女が作成を否定している2つの手書きメモに頼っている。
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マナール・アデル・アブ・エル=ナガは、アル=カナタール女性刑務所に移送され、これまで家族との接触は許可されていない。
もうすぐ3歳になる彼女の息子のアル=バラアは、彼女の親戚に引き渡され、2年近く会っていない。この子に会った人びとは、この子は深刻な精神的苦痛や分離不安を経験しており、緊急に精神的身体的リハビリが必要だと話している。その子は長い間お風呂に入っていないように見え、監禁されていた部屋のことを指して「部屋に戻りたい」と何度も言った。
フェイスブックで、幼児の叔父は強制失踪によるメンタルヘルスへの壊滅的な影響を語った。「家族を知らない子どもは、家族を恐れています...あの子は制服を着た人びとしか見たことがないからです。」
「エジプト当局は、マナール・アデル・アブ・エル=ナガとその家族に対して、彼女から精神的ショックを受けた子どもと引き離し、基本的なデュー・プロセスの権利を否定することで、暴力の目録に追加しています」とフィリップ・ルーサーは話した。
根拠のないテロ容疑で何千人もの男女を数カ月から数年間投獄し続けるために、エジプト当局が裁判前拘禁を濫用していることや、この家族の強制失踪を取り巻く恐ろしい状況を考慮し、アムネスティはマナ・アデル・アブ・エル=ナガの即時釈放を要請する。彼女が強制失踪中に行ったどんな発言も、彼女に対する法的手続きから除外されなければならない。
子どもの父親、オマール・アブデルハミド・アブ・エル=ナガは、強制失踪を受け続け、その生命と安全への恐れが増している。エジプト当局は、彼の運命と居場所についての真実を直ちに明らかにしなければならない。
アムネスティの過去8年間の調査は、治安機関、とくにNSAは、実際あるいはそう思われただけの反対論者や批判者を、数日から数カ月、時には数年間、強制失踪させることが常態化していることを示している。その間、NSA局員は拷問その他虐待を行い、さらに、SSSP検察官の前で、NSAの主張を支持するよう日常的に強要される。検察官は、NSA局員に対する強制失踪や拷問の申し立てへの組織的な調査を行わない。
「治安機関によるこれらひどい暴力は、エジプトにおける不処罰の風潮の破壊的影響をあらためて示しています。国連人権理事会でエジプトの監視・報告メカニズムの設立の支援を含む、国際社会にとって協調行動が緊急に必要なことは明白になっています。」とフィリップ・ルーサーは話した。
「国際的行動がなければ、治安機関は、重大な人権侵害や国際法上の犯罪を行い続ける権限があると感じ、彼女たちのように家族全員を壊すでしょう」
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