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2007年1月、難民たちがバスに乗せられタイ・ラオス国境に連れて行かれた。彼女たちはタイの収容所から送還されようとした。 © Mathias
Depardon |
タイ政府は153人のモン族難民をラオスに強制送還すると恐れがある。1月30日、入国管理局職員は、タイ北東部のノン・カイ入国管理収容所で、泣き叫ぶ女性や少女たちを監房から引きずり出した。また数時間男性監房に立てこもった男性や少年たちに対し催涙ガスを使用した。
153人全員は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって難民と認定されており、もしラオスに送還された場合には、深刻な人権侵害の危険性があると思われる。彼らは2006年11月に逮捕され、タイの首都バンコクに拘留され、1カ月後ノン・カイ収容所に移された。
政府が彼らをラオスに送還するつもりであるという懸念で、アムネスティやUNHCRを含む複数の人権団体による抗議が起こった。これを受けて、タイ政府当局は2006年末に人道的理由で153人は強制送還されないだろうと述べた。しかしながら、今年初めに試みられた強制送還は、彼らが安全ではないことを示唆している
1月30日、153人のうちの女性と少女たちはバスに乗せられ、タイ・ラオスの国境に行った。そのうちの2人は、妊娠8カ月の女性と生後1週間の赤ん坊がいる女性であった。2人の男性も、深刻な肝臓病や顔の銃創の治療を受けていた病院のベッドから連れ出され、バスに乗せられた。
入国管理局は警察にバリケードが築かれた監房から男性と少年たちを連れ出すように要請した。警察は催涙ガスを使用し、棒をのこぎりで切ろうとしたが、接触できなかった。目撃者たちは、監房に20人の少年がいたにもかかわらず、警察が催涙ガスを3回使用したと報告した。
強制送還の試みは未公表の理由で中止され、女性と少女たちはノン・カイ収容所に戻された。
1月26日、16人のラオス人のモン族の難民として保護を求める人びとがラオスに戻された。伝えられるところによれば、ラオス中部のパクサンにある収容施設に拘禁されており、彼らは深刻な人権侵害の危険にあると考えられる。国際人権団体は彼らに接触できず、以降彼らに関する情報はなかった。2005年12月、タイ政府は27人のモン族難民を、うち22人の子どもは両親と引き離され、ラオスに強制送還した。その後彼らは隔離拘禁されており、虐待や拷問も報告されている。彼らの送還は国際的難民法、国連拷問等禁止条約や国連子どもの権利条約に違反している。
UNHCRは、彼らがラオスに送還されれば、彼ら153人に接触できなくなると警告した。「彼らがラオスへの送還で適切に取り扱われるという保証がなかった」とさらに述べた。
国際法のもとでは、タイ政府当局は、拷問、虐待あるいは他の深刻な人権侵害の危険性がある国にだれも送還してはならない。タイ政府は国際的義務を尊重し、第三国に153人のモン族難民すべてを再定住させるための努力を妨げてはいけないのである。
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