UA  59/09 　 身の安全の懸念
ボリビア共和国

対象者：  ミゲル・エステベン・ボニリャ(男性)、法学研究および社会学調査センター(Centro de Estudios Jurídicos e Investigación Social, CEJIS) の地域事務所長

2月27日、ミゲル・ゴンサレスが運転していた職場の車が、1台のオートバイに乗った2人の男に銃撃された。彼はこの銃撃をかろうじて免れた。アムネスティ・インターナショナルは彼の身の安全を深く憂慮している。

ミゲル・ゴンサレスは、共有地の権利を求める活動の支援を含む、先住民および農民コミュニティの権利を促進する法学研究および社会学調査センターで働いている。ミゲル･ゴンサレスはボリビア北部のベニ県の県都であるトリニダードという町におけるCEJIS地域事務所の所長である。

3日前の2月24日、ミゲル・ゴンサレスは尾行されていた。彼は最初色の入った窓ガラスの赤色と銀色のバンに尾行され、その後オートバイに尾行された。彼が郊外で自宅に向かって運転をしていたとき、彼は自分を尾行しているバンに気がついた。彼が引き離そうとするとそのバンはパッシングをした。しかしながら彼がそのバンをやり過ごそうと車を停めると、彼の後ろで車は停まった。ミゲル・ゴンサレスが反対側に方向を変えると、彼の目の前でそのバンは方向を変えた。そして彼はまだ1台のオートバイが尾行していることに気がついた。そのオートバイが困難な地形のために追跡をあきらめなければならなかった時、その運転者は彼を罵ったという。

何度も、正体不明の人間たちがミゲル・ゴンサレスの家に電話をかけ、彼の居場所を家族に聞いている。最近の襲撃の後、ミゲル・ゴンサレスはトリニダードの警察と検事事務所に申し立てを提出した。しかしながらこれまでのところ彼の保護は行なわれていない。自分たちの安全を心配し、彼と彼の家族は身を隠すためにトリニダードの自宅を離れている。

トリニダードにおけるCEJIS職員に対する一連の脅迫行為の後で、最新の襲撃が起きている。2008年8月、武装したオートバイの運転手たちがCEJIS事務所に姿を現し、職員が到着するのを待っていた。幸運にも職員は近所の人から警告されていた。数日後、2008年9月初めに、政府および民間団体の差し押さえキャンペーン期間中に、野党派のベニ若者組合(Unión Juvenil Benianista)のメンバーたちがトリニダードのCEJISの事務所を強奪しようと試みた。しかしながらこの出来事では、若者のギャングたちはCEJISの事務所や職員たちの場所を見つけることができなかった。この暴力の期間、CEJISの職員たちは自分たちの安全を心配しながら家から仕事に出ていた。多くの職員が彼らの活動の結果として脅迫や侮辱を受けたと報告している。この出来事の後、9月に米州人権委員会はトリニダードにおけるCEJISメンバーの保護を命じる予防措置を認めた。しかし当局によってどのような保護も提供されておらず、2009年1月まで警察は安全状況を調査するためにCEJIS事務所を訪問しなかった。

背景情報

CEJISに対する襲撃は長年彼らの活動を脅かしている。他のCEJIS事務所も自分たちの活動の結果として、脅迫や嫌がらせを受けている。2008年9月9日、ボリビア東部のサンタクルス市において、大学生や野党派のサンタクルス若者組合によってCEJIS本部が襲われ略奪された。彼らの事務所は侵入され、設備や備品は破壊され、CEJISの30年間の記録やファイルは略奪され燃やされた。先住民や農民コミュニティの権利を促進する別の2つのNGOと政府の地域事務所、2つのメディアの支局も標的となった。

ボリビアの先住民や小作農民（カンペシーノス）の権利のために活動している団体や個人、土地改革の支持者に対して行なわれる人種差別が動機である襲撃は、ボリビアでは一般的である。最近の報告書の中で、国連先住民に関する特別報告者はボリビアにおける持続的な人種差別主義に懸念を表明した。彼はいくつかの政党、地方政府高官、民間人による圧力団体によって用いられている、そして複数のメディア支局によって広められた人種差別的論文は、社会のあらゆる階層において先住民の人びとに影響を与えていると述べた。新憲法の条文の中には有効な意思決定から除外されてきたボリビアの先住民の政治的権利を強化する規定がある。個人の所有物や国家の所有物の尊厳の保証と同じく、それは共有物も保証しているのである。

（期限切れのため以下略）