いくつかの都市で、政府支持派と反対派とのあいだで暴力的な衝突が起こり、少なくとも5人が死亡し数百人が負傷した。衝突の背景には、新しい憲法と、経済と政治の改革に関して緊張が続いていたことがある。ジャーナリストが嫌がらせを受け攻撃された。

憲法と制度の改革
　社会不安が続く中、12月に新憲法が承認された。憲法草案を作成するために2006年8月に始まった制憲議会は、将来的な首都移転など、様々な問題についての地域的・政治的な緊張が支配していた。議会は何度か中断された。
　一部の野党議員が欠席であったがしたが、新憲法の条文が承認された。県レベルと同じく、先住民や市、地域に自治権を得ることによって、新憲法は一定の地方分権を与えている。憲法は、ボリビアが、統一され多元的で複数民族からなり、二院制の国家であることを確約している。また、天然資源を国が所有することや、ヘルスケアと教育が無料であること、私有財産の権利を規定している。スクレは国の歴史的首都であり司法や選挙の権限の中枢であるとし、ラパスを行政と立法の中枢であると定める。条文は国民投票にかけられることになっている。
　2月、政府と国連人権高等弁務官とのあいだの合意に署名がされ、国連の現地駐在が定められた。国連人権高等弁務官事務所は、司法行政を改善し全国的に人種差別と闘う力を向上させることを含む人権の促進と保護に寄与するために7月に業務を始めた。

表現の自由−ジャーナリストに対する攻撃
　治安機関職員らが、マスコミ関係者を攻撃し脅迫したという報告があった。11月、ジャーナリストに対する侵害を明らかにするため数十人のジャーナリストがデモを行ない、ジャーナリスト組合は、政府当局者による活動批判に抗議した。
・11月、スクレで新憲法に抗議するデモ隊と警察との暴力的な衝突を報道していたジャーナリスト10人以上が襲撃されたという。

政治的暴力
　サンタクルスやコチャバンバなど、いくつかの都市で政府支持派と反対派とのあいだで暴力事件が起こった。衝突により少なくとも5人が死亡し数百人が負傷した。
・1月、コチャバンバ県コチャバンバ市でクリスチャン･ウルレティとホアン・ティカコルケが殺害され100人以上が負傷した。この事件はコチャバンバ県知事の辞任を要請している社会正義運動党(MAS)を支持するグループと、知事を支持しより地方自治を求めるグループとの衝突の後で起こった。この殺害の司法捜査は開始されたが、年末までに結論は出なかった。
・11月、チュキサカ県スクレ市における2日間の暴力的衝突により、3人が殺害され100人以上が負傷した。警察官は催涙ガスやゴム弾を使用し、岩やこん棒を持つデモ参加者たちと戦った。何人かの抗議行動者は爆竹やモロトフ・カクテル(火炎瓶)(自家製の爆破装置)を使用して交通警察の本部を襲撃した。彼らは事務所の設備を破壊し、警察車両や公用車に火をつけた。ゴンサロ・ドゥラン・カラサニとホセ･ルイス･カルドソは銃で撃たれた傷により死亡した。ファン･カルロス･セルード･ムリーリョは催涙ガス筒が当たって死亡した。警察官もまた衝突により負傷した。この事件の捜査は発表されている。

アムネスティ訪問
　2月に訪問。

アムネスティ報告書
・Bolivia: The national authorities must maintain order and protect inhabitants (AMR 18/001/2007)
・Bolivia: Amnesty International calls for Human Rights Plan, action to prevent further clashes and protection for defenders (AMR 18/003/2007)

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