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小作農民、先住民族社会、人権擁護活動家が土地紛争において脅迫され、立ち退きを強いられた。先住民達は食料や衣服、教育の提供の見返りとして、農場や家庭での奴隷的労働を強制された。2003年の政情不安期に起こった殺人事件に対する裁判所による調査は遅れている。受刑者が刑務所の深刻な過密状態と必要最小限の設備がないことに抗議した。
背景
政情不安定な状態が広範囲で見られた。6月、民衆によるデモや道路封鎖によって、カルロス・メサ・ヒスベルト大統領が辞任に追い込まれた。こうした抗議行動はおもに先住民族、農民、鉱山労働者らによって行なわれた。彼らは、選挙の早期実施と、経済政策を決定する上でより重要な役割を担うことを要求していた。民衆が従来の政党を拒否し、憲法に定められたように上院あるいは下院議長が大統領職を継承することを拒絶したため、最高裁判所長官エドゥアルド・ロドリゲスが暫定的に国家元首に任命された。
12月の総選挙で社会主義運動党のエボ・モラレレスが大統領に選出された。
土地および経済的権利
土地の所有権をめぐる争議が数件あり、暴力的な立ち退きも報告された。土地の権利を求める先住民族組織や小作農民と、彼らの代理を務める非政府組織のメンバーが脅迫や暴行を受けた。また、先住民族の経済的権利は尊重されていなかった。
・1月、リベラルタの農場経営者および森林監督官団体(ASAGRI)のメンバーたちがベニ県リベラルタの法律研究および社会調査のための非政府センターの事務所の設備を破壊し略奪した。襲撃者たちは土地所有に関する文書を焼き捨て、弁護士クリベル・ロチャCliver
Rochaを火あぶりにすると脅迫した。このセンターは先住民族および農民コミュニティのために法的支援を行なっている。ASAGRIのメンバーたちは以前からベニのミラフローレス地域に住むタナカの人びとに2002年に公的に認められた共有地を去るように、そうしなければ強制的に退去させると警告していた。
・5月、サンタクルス県土地のない運動代表のシルベストレ・サイサリ・クルスは地方の土地所有者に関係したと思われる男たちによって殴打され蹴られた。彼はコミュニティで最近米やパイナップルの収穫物が焼き払らわれことを非難していた。
8月、オンブズマンがロドリゲス大統領に対してサンタクルス県グアラヨスでの1715法の適正な履行を推進するよう求めた。1715法は、先住民族コミュニティの共有地の所有権や天然資源の利用を規定している。オンブズマンは11月に、チュキサカ県チャコの先住民族グアラニ人1万4000人に対する搾取と奴隷労働の停止を行政に強く求めた。労働者の賃金は、食料、衣服と一日2米国ドル以下が支払われ、児童は学校教育と引き換えに農作業や家事に従事していた。
殺害に対する調査の遅延
2003年10月に発生した一般市民の殺害事件に対する捜査がさらに遅れた。10月、数名の上級将校が、憲法範囲内で行動していたと主張し、殺害事件を捜査する法廷での証言を拒否した。最高裁判所は11月、裁判所からの証言要請を確認し、軍の最高司令官であるロドリゲス大統領は証言を命じた。
11月、米国にいる元国家元首のゴンサロ・サンチェスに対し、任期中に起きた人権侵害などの犯罪行為に対する彼の責任についての犯罪捜査文書が送達された。
刑務所の過密と抗議行動
過密状態と基本的設備の不足に対して、暴動とハンガーストライキが発生した。
・9月、コチャバンバ県の7つの刑務所の1,000人以上の被収容者が食料助成金を求めてハンガーストライキを開始した。
・10月、電話の使用が制限された後に被収容者が暴動を起こし、ポトシ県カントゥマルカ刑務所の女性棟では訪問者は訪ねることができなかった。
6月、ラパスのサンペドロ刑務所長は、受刑者が刑務所内に仮設施設を建てざるを得なかったと述べた。定員380人の刑務所で、1300人が収容されていた。
子どもの権利
国連子どもの権利委員会が1月に行なった勧告の一つとして、最悪の形態の児童労働撲滅行動計画の制定が勧告された。委員会は、子どもの性的経済的搾取と人身売買を犯罪行為として位置付け、これらの犯罪を受けた子ども達を犯罪被害者として扱い、また加害者を起訴するよう勧告した。加えて委員会は、ストリートチルドレンの支援、禁固に代わる刑罰の整備、青少年の服役環境の改善、国連国際組織犯罪条約「人身取引」（人の密輸）補足議定書の批准を求めた。 |
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