|
|
私は、2001年の9.11のずっと前から9月11日がターニング・ポイントであった世代です。1973年の私の誕生から1カ月後、チリでクーデターが起きました。それ以降ラテンアメリカだけでなく、多くの人の精神が永遠に変わってしまったのです。私はガブリエル・ガルシア・マルケスの物語「戒厳令下チリ潜入記-ある映画監督の冒険」を読み返します。これは有名なチリの映画監督ミゲル・リティンの物語で、彼はピノチェト政権下で強制追放された5,000人の人びとの1人です。ミゲル・リティンは軍事独裁における生活の現実を撮影するために、1985年にチリに戻るという危険を冒しました。そしてガルシア・マルケスのルポルタージュは、サンパウロからサンティアゴへの飛行機の中で適切な読書です。
たぶん私がアムネスティのために行なった任務のうち、これは私にとって最も感情的なものとなるでしょう。
私はメキシコに避難したチリ人の亡命者、学校での友人や私の両親の友人・生徒たちに囲まれて成長しました。大人になるまで、彼らにとって、とくに彼らの国に多額の投資をしている人たちにとって、あるいは実際にチリを知らないが戻ることができないことだけ知っている私と近い年の人びとにとって、国外追放がどれだけつらいか理解していませんでした。しかし彼らが戻ることができないことは知っていました。彼らは絶えず恐怖の中で暮らしており、軍事独裁の触手がチリを超えて伸びたためにいつも警戒していました。
私は、ピノチェトの政権によって公表されたチリに戻ることを許された亡命中の人びとの名前のリストを調べる家族の友人の姿の非常に鮮明な記憶があります。そして彼らの名前が公表されたリストにないと分かったときの深い失望の。
ラテンアメリカで成長した人間にとって、軍事独裁中にチリでの残虐行為の恐怖から逃げることは不可能:です。1973年に国立競技場で起こったことの恐怖からも、ヴィラ・グリマルディのような悪名高い秘密拘禁施設における拷問された人のこと。そして失踪した数え切れないほどの人びとのことも。その多くは海に投げ込まれました。
チリは1978年にアムネスティ事務総長が訪問したときから変わったことに疑いはありません。しかしその傷跡は癒えているのでしょうか？
ジュディット・アレナスは事務総長の事務所長であり、アムネスティのチリ調査団でもある。
2008年11月4日チリにて。
原文はこちら
|
|