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2021年4月29日
ルコンデ政権は移行期正義行程表を設定すべき
コンゴ民主共和国の新しく任命された政権は、重大な人権侵害に対して刑事責任があると疑われる人びとに責任を取らせる明確な戦略を採用すべきであると、50のコンゴおよび国際的非政府団体の連合が発表した。
サマ・ルコンデ首相率いるフェリックス・チセケディ大統領の新政府は、2010年の国連マッピング・レポートに記載されているものを含め、過去および最近の国際法における深刻な犯罪に取り組む歴史的な機会がある。政府は被害者とその家族に裁きと賠償を行い、待望の治安部門の審査と改革を実行すべきである。
「数十年間の深刻な犯罪への免責が、コンゴにおける紛争と暴力を助長し続けています」とノーベル平和賞受賞者のデニ・ムクウェゲ医師は話した。「チセケディ大統領は今こそ、ショッキングな正義の欠如と免責という結果に取り組むための戦略を採用するという言葉を実行するべきです。」
1990年代初頭以降、国を荒廃させた継続的で重層的な武力紛争において、コンゴ軍や外国軍、非国家武装グループは、戦争犯罪や人道に対する罪を含む国際法上の無数の犯罪や、重大な人権侵害を行っている。
チセケディ大統領は、正義と法の支配を取り戻すと繰り返し約束している。しかし2年以上前の就任以降、自らの政権で免責や暴力の連鎖を終わらせるための具体的方策を示すことに失敗している。シルベストル・イルンガ前首相の前政権は、2つの移行期正義政令案に取り組んだ。それらは正義以外の主導権に焦点を当てたもので、コンゴにおける蔓延する免責の断絶に取り組むことに失敗した。移行期正義努力は、国際法に沿って深刻な犯罪への刑事責任を含める、そして優先する場合にのみ、信頼できるものとなるだろうと、話した。
チセケディ大統領とルコンデ首相に、免責との闘いを最優先とすることを公に約束し、以下の設立を含む移行期正義の行程表を速やかに提供するように要請した。
国連マッピング・レポートで発表されたコンゴおよび外国の当事者によってコンゴで行われた深刻な国際犯罪を捜査・訴追するための、国際的司法機構あるいは強力な国際的構成要素のある機構。1993年から2003年の間、および最近行われた犯罪を対象とする。この司法機構は、少なくとも最初は、国際的人材とコンゴ人が職員を務めるべきである。これにより、コンゴ人司法職員の間に専門的な能力と専門知識を築く助けとなり、国内司法制度の強化に貢献できる。また、敏感な事件への政治的、軍事的、経済的な干渉に対する保護を助けることができる。この機構は、国際的基準を尊重し、その任務を遂行するための適切な財政的、物的、人的資源を持つべきである。加えて訴訟への被害者の参加を保証し、影響を受けたコミュニティにその活動についてのアクセス可能な情報を提供するべきである。
深刻な人権侵害に関与しているかもしれない治安機関職員やその他行政機関職員を、特定し、暫定的にその職から外すための審査メカニズム。この事件が進行中である間。この審査メカニズムは、国連コンゴ専門家グループ、国連合同人権事務所(UNJHRO)、国連人権理事会、コンゴ国内の・国際的人権団体による報告書を考慮するべきである。また、重大な犯罪で告発された人と、直ちに動員解除・社会復帰に適格な人を分離するために、元武装グループ戦闘員を対象とした強固な武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プログラムと連携するべきである。重大な犯罪で告発された者は、公正に調査され、十分な認められる証拠があれば、起訴されるべきである。 |
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性暴力やジェンダーに基づく暴力の被害者と生存者を含む、深刻な国際的犯罪の被害者とその家族のための包括的賠償プログラム。国際法に沿った、人生を立て直す手助けをするものである。このプログラムは、回復、補償、社会復帰そして再発防止の保証という形で、受けた損傷に救済策を提供するべきである。
2010年発表のマッピング・レポートは、1993年3月から2003年6月までの間にコンゴで行われた大量殺害、性暴力、子どもへの攻撃、その他深刻な暴力を含む、国際人権法および国際人道法の深刻な違反となる事件が600件以上記録されている。記録された犯罪の捜査・起訴のための司法機構の設立を含む、この報告書の勧告は、まだ実行されていない。
東部地域では約120もの武装グループが民間人を食い物にし続け、その中には大規模殺害やその他の深刻な暴力に責任のあるグループも含んでいる。政府の部隊も最近の暴力では大きな役割を果たしている。暴力をふるった将校が指揮系統の上級職を占めていたという。最近の大規模な残虐行為や暴力は、中部カサイ州や西部ユムビ地域など、国内の他の地域でも甚大な被害の原因となっている。一部の犯罪を除けば処罰されていない。
犯罪の規模は免責の広まりと著しい相違があるとこれらの団体は述べている。長年にわたり、虐待する軍閥はコンゴ軍、警察、諜報機関に組み込まれている。彼らはまた、重要な政治的地位に昇進し任命されているが、その一方で虐待に関与し続け、戦争経済から利益を得ている。コンゴ軍はしばしば虐待的な武装グループを代理勢力として使用し、一方外国政府は虐待的な反政府側民兵をほぼ完全に免責を与え支援している。武装グループや民兵はいまだに帯状の領土を支配し、時には政府軍兵士の監視下で、市民に嫌がらせをし「税金」を課している。
過去10年間以上、国内で重大な犯罪を捜査・起訴するという努力が、主に軍事法廷で行われ、一部訴訟手続きを行う上で顕著な改善があった。しかし、これら努力は、犯罪の規模を考えると、まちまちで不十分なままである。さらに、政治的・軍事的な干渉を含む深刻な欠点が、コンゴの免責の乖離に取り組むための司法の能力を妨げている。
コンゴにおける免責との闘いへの、国際刑事裁判所(ICC)、2002年7月1日以降に行われた深刻な犯罪のみを管轄する、の寄与も限定的である。ICCは、2002年から2003年までのイトゥリで犯された残虐行為で、3人の元反政府軍指導者に有罪判決を下した。しかしコンゴのケースでは、政治家や軍高官による説明責任に取り組むことに失敗している。
「今日のコンゴ東部における継続的な暴力は、人権侵害をした者の責任を問うことがあまりにも少ないという悲劇を思い起こさせるのです」と市民運動「変化のための闘い(LUCHA）」のメンバーであるミシュリーヌ・ムウェンディケは話した。「コンゴ新政権は、コンゴの若者によりよい未来を提供することに真剣であることを明示し、国内の多くの犠牲者に正義と賠償を提供するために必要な措置を直ちに取るべきです。」
署名団体
(省略)
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