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埃っぽいヨルダンの砂漠地の、11月の暖かい晴れた午後。ブリキの屋根の大きな建物の中で、女の子たちと男の子たちが列を作り裸足でコンクリートの床に立っている。頬のふっくらとした5歳もいれば、背が高くて落ち着いた雰囲気のティーンエージャーも一緒にいる。
ほとんどの子どもたちは、清潔な白い衣に、それぞれ違う色のベルトを腰に結んでいる。
テコンドーのクラスが始まると、全員がキックの練習をする。大人の先生たちが胸の高さに持つクッションめがけ、足に集中させる。生徒が増えるにつれ、整然とした雰囲気の中に興奮が入り混じり、小さな混沌が生まれる。
私たちはヨルダン政府と国連難民高等弁務官事務所（UNHCR)が運営している巨大な難民キャンプ、ザータリの片隅にいる。2012年7月に開設され、今では8万人以上の人びとが暮らしている。その半分以上は子どもである。
彼らにとって、平凡な日常生活は遠い記憶である。たくさんの人びとは、自分たちの愛する人を含むすべてを失った。この破壊的な紛争が始まってから、19万人もの人びとが殺害された。
2015年3月で5年になるが、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、トルコで暮らす380万人のシリア難民が家に帰れる日がいつになるのか、そもそも帰れる日が訪れるのか、だれも答えることが出来ない。
一方で、小さな韓国のNGOのおかげで、ザータリ・キャンプの子どもたち150人は週4回の武術を学ぶことで忙しくしていることができる。ザータリのテコンドーアカデミー（ツイッターでは@ZaatariTA）は、将来が見えるようになるのを待つ子どもたちに、希望を与えようとしている。
この隔離された砂漠都市で、テコンドーを学ぶことが大きな問題―貧困、トラウマ、冬を生き延びることを解決することはできないだろう。しかしそれは確実に良い効果をもたらしている。ここの子どもたちは、幸せそうで活動的である。
彼らの7人の先生の1人、マームードは国境近くのシリアの都市ダルアーからの難民である。「ここで一番重要なことは子どもたちの教育と礼節、そして友達を作ることです」と彼は話す。「学校に行っていない子や、多くの家族がいるわけではない子がいます。その子たちをここに連れて来ると、行儀が良くなります。」
一筋の希望
タリクとネダもまたダルアーから逃れてきた。2人は現在ヨルダンの2番目に大きな都市、イルビドで暮らしている。脇道を入り、建物の急な階段を上ると、３階の小さな住まいにたどり着く。
外の靴の多さは、ここに21人が住んでいることを語っている。彼らの７カ月の双子の娘たち、2歳の息子、そして拡大家族が5つの部屋を共有している。
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タリクは私たちを茶色の壁紙と黄土色のクッションで飾られた小さなリビングに迎え入れてくれ、コーヒーを勧めてくれた。子どもたちが遊んでいる間に、24日間シリアで逮捕されて拷問されたことが24年間のように感じたと、彼は私たちに話した。「彼らは私の敏感な所を殴打し、たばこの吸い殻で私を焼きました。」
彼は2012年3月にヨルダンへ逃れ、彼の家族が来るための資金を稼いだ。しかしヨルダン政府がシリア人を就労から妨げ始めたとき職を失った。現在ヨルダンは62万人もの難民を抱え、苦痛を感じている。
タリクとネダは焦りと不安を感じているが、それでも一筋の希望がある。彼らはUNHCRによって、他の国に定住することを認められたのである。
再定住は、拷問の被害者や深刻な病状の患者、暴力のリスクにさらされる女性や子どもを含む、とくに脆弱な難民にとっては人生を変えるような機会である。
しかし、その手続きは痛々しいほど時間がかかる。2014年の8月までに海外に定住したシリア難民はわずか7000人ほどである。ほとんどの国はたった1人にもドアを開いていない。
私たちは、世界の裕福な社会はシリア難民のためにもっとできることがあると考えている。私たちの#OpenToSyriaキャンペーンは各政府に、タリクや彼の家族のようにそれを最も必要としている人たちに開くことにより、ヨルダンのような国に手を貸すように要請するものである。
再定住だけがシリア難民の危機を解決するわけではない。しかし、この時代の最悪の人道的危機に巻き込まれた最も脆弱な人びとを助けるのは、ザータリのテコンドー学校のような目に見える貢献なのである。
あなたはシリアに開いていますか?
アムネスティが求めているものは何か。
私たちは世界の裕福な国ぐにがシリア難民の10パーセント、総数で38万人を2015年と2016年の2年間に受け入れることを求めている。
私たちはだれに求めているのか。
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、デンマーク、フランス、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スペイン、英国、ウルグアイ、米国の各国政府に訴える予定である。
その数
380万人ものシリア難民が現在エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、トルコで避難生活を送っている。
38万人の脆弱なシリア難民を国連は別の国で定住する必要があると認めている。
77,638箇所の再定住地が今までのところ世界的に提供されている。
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