UA  109/15 追加情報

ペルー共和国

対象者： ヴィクトリアノ・ウアイナ(男性)、ヘンリー・チェクジャ・チュラ(男性)、アルベルト・ヴァスケス・デュラン(男性)、ラモン・コルケ(男性)とペルーの反鉱山抗議行動中に負傷した人びと

　ペルー南部の計画中の銅鉱山プロジェクトに対する抗議中に、1人の警察官を含む4人が殺害され、数百人が負傷した。5月22日の直近の殺害後、当局はこの地域に非常事態宣言を発令した。

　5月22日、住民がペルー南部アレキパ県イスレイ郡で反鉱山デモ中に南部パン・アメリカン高速道路を封鎖しようとした後に、露天商人ラモン・コルケは射殺された。4月下旬以降3人の男性、ヴィクトリアノ・ウアイナとヘンリー・チェクジャ・チュラ、そして警察官アルベルト・ヴァスケス・デュランがこれらのデモ中の暴力的衝突と警官による過剰な力の行使の結果死亡した。

　3月23日以来タムボ渓谷の計画中のティア・マリア銅鉱山プロジェクトに対するデモは進行中である。このプロジェクトに反対する人びとは、プロジェクトによって農業および家庭用利用のための浄化された水へのコミュニティのアクセスに悪影響を受けるのではないかと憂慮している。5月15日オジャンタ・ウマラ大統領による、なぜ鉱山プロジェクトを止めることができなかったかを国民に説明する演説に続いて、南ペルー銅会社は、影響を受けたコミュニティとのさらなる対話のためにティア・マリア・プロジェクトの60日間の一時停止を発表した。しかしながら、国内マスコミは、最近のラモン・コルケの死亡やジャーナリストや他の地元メディアへの攻撃を含む、警察と地元住民との深刻な衝突を報告し続けた。この地域での現在進行中の闘争に対応し、政府は5月22日イスレイ郡に非常事態宣言を発令した。

　アムネスティ・インターナショナルは、国は治安を維持し、容疑者を逮捕し、治安を保つ義務があることを認めている。警察は適法な目的のために厳密に必要でバランスの取れたときにだけ力を行使してもよい。デモ参加者による暴力を多数の平和的な集会の権利を抑えつけるために使用するべきではない。そして当局は平和的に抗議行動をしている人びとが、そうし続けることができるように保証するべきである。月

追加情報　(下記と同じため省略)

アクション: スペイン語、英語または母語で以下の内容のアピール文を作り、航空便、航空書簡（全世界90円）、電報あるいはファックスで、できるだけ早く送ってください。同じ内容のアピール例文が後に続きます。それをご利用ください
・当局にヴィクトリアノ・ウアイナ、ヘンリー・チェクジャ・チュラ、アルベルト・ヴァスケス・デュラン、ラモン・コルケの殺害と負傷した人びとに対する十分で適切な調査を実施し、責任者を裁きにかけるよう要請すること。
・国は治安を維持する義務があるが、過度の力の行使をするべきではなく、平和な集会の自由という権利を保証しなければならないこと、そして、治安機関はいかなる状況でも、社会的抗議行動を取り締まる際に進歩的かつ選択的で比例した力の行使における人権基準を遵守するための緊急措置を取ることを保証しなければならない。
・鉱山プロジェクトに影響を受けるコミュニティのすべての人に、参加・情報・協議の権利を保証するように要請すること

宛先:

大統領(President)
Ollanta Humala Tasso
Despacho Presidencial, Jirón de la Unión s/n Primera Cuadra- Cercado de Lima, Perú
Fax: +511 311 4700
Email: bcamacho@presidencia.gob.pe secretariageneral@presidencia.gob.pe
Twitter: @Ollanta_HumalaT
書き出し: Mr President /Sr. Presidente

内務大臣(Interior Minister)
José Luis Pérez Guadalupe
Ministro del Interior
Ministerio del Interior
Lima, Perú
Tel: +511 418 4030
Email: dm@mininter.gob.pe
書き出し: Dear Minister/Sr. Ministro

検事総長(Attorney General)
Pablo Sánchez Velarde
Fiscal de la Nación (i)
Ministerio Público
Fiscalía de la Nación
Lima, Perú
Tel: +511 625 5555 or 208 5555
Email: psanchez@mpfn.gob.pe
書き出し: Dear Attorney General/Sr. Fiscal de la Nación

コピー送付先：

駐日大使館
〒150-0012　東京都渋谷区広尾2-3-1
ペルー共和国大使館
特命全権大使　エラルド・アルベルト・エスカラ・サンチェス＝バレト　閣下
H.E. Mr. Elard Alberto ESCALA Sanchez-Barreto

手紙の例文

Ollanta Humala Tasso
Despacho Presidencial, Jirón de la Unión s/n Primera Cuadra- Cercado de Lima, Perú

Mr President,

I am writing my deep concern that three people have been killed, and hundreds have been injured as a result of violent clashes and excessive use of force by police during weeks of anti-mining protests in southern Peru.

I urge you to carry out full and impartial investigations into the killings of Victoriano Huayna, Henry Checlla Chura, Alberto Vasquez Duran and Ramón Colque, as well as those injured, and to bring those found responsible to justice.

I think that while the state has a duty to maintain public order, it should never use excessive force and must guarantee the right to freedom of peaceful assembly; and to take urgent measures so that the security forces comply in all circumstances with human rights standards on the use of progressive, selective and proportionate force when policing social protests.

I call on yout to guarantee the rights of all those communities affected by the mining project to participation, information and consultation.

Thank you very much for your attention.

Sincerely yours,
　

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ペルー共和国

対象者：ヴィクトリアノ・ウアイナ(男性)、ヘンリー・チェクジャ・チュラ(男性)、アルベルト・ヴァスケス・デュラン(男性)とペルーの反鉱山抗議行動中に負傷した人びと

　3人の人間、見物人2人、警官1人が殺害された。ペルー南部の数週間の反鉱山デモの中に、暴力的衝突と警察による過度な力の行使の結果、数百人が負傷している。新しい抗議活動が5月27日と28日に発表され、さらなる人権侵害の危険は残っている。

　3月23日から、ペルー南部アイキパ県イスレイ郡で、タムボ渓谷における計画中のティア・マリア銅鉱山プロジェクトに対してデモが行なわれている。これらのプロジェクトによって、農業および家庭用利用のための浄化された水へのコミュニティのアクセスが採掘活動によって影響を受けるのではないかという憂慮が高まっている。報告によると、治安機関によってデモ参加者に対し小火器の使用を含む過度の力が行使され、同時にデモ参加者と治安機関の間で衝突が起きた。警官を含む3人が殺害され、多数のデモ参加者と警官が負傷した。デモ参加者と警官の衝突が起きた5月14日には、さらに20人が負傷したと報告された。

　4月22日のコカチャクラ近郊での警察との衝突で、警官が撃った銃弾により、見物人の61歳ヴィクトリアノ・ウアイナは死亡した。5月5日モジェンドのアルト・インクラン地区で高速道路を封鎖していたデモ参加者に対して警察が発砲を開始した際に見物人のヘンリー・チェクジャ・チュラが銃殺された。3人目の被害者であるアルベルト・ヴァスケス・デュランは5月9日死亡した。デモ参加者との衝突で負傷した3日後のことであった。

　5月15日のオジャンタ・ウマラ大統領による、なぜ鉱山プロジェクトを止めることができなかったかを国民に説明する演説に続いて、南ペルー銅会社は、影響を受けたコミュニティとのさらなる対話のためにティア・マリア・プロジェクトの60日間の一時停止を発表した。しかしながらコミュニティは5月27日と28日の2日間の地域ストライキを進めると発表しており、さらなる衝突と人権侵害の危険性は残っている。

追加情報

　ティア・マリア鉱山プロジェクトを取り囲む紛争は新しいものではない。鉱山会社である南ペルー銅会社(SPCC)が2006年に探査段階を始めて以来、影響を受けたコミュニティは、鉱山プロジェクトが銅抽出に必要な水が汚染され多量の水が使用される恐れのために、農業および家庭用利用のための浄化された水へのコミュニティのアクセスが採掘活動の影響を受けるのではないかという憂慮を高めている。2011年4月7日、プロジェクトに反対する反鉱山抗議活動の後、治安機関との衝突で3人が殺害された。そして軍がその地域に配備された。

　2014年8月にエネルギー鉱山省が、会社が提出した2番目の環境影響評価(EIA)報告書を承認して以降緊張は増加している。2011年の最初のEIAは国連プロジェクトサービス機関による分析の後に、エネルギー鉱山省によって不合格となった。分析では影響を受けるコミュニティとの適切な協議の不足、経済的影響やどのように近郊の道路に影響を与えるかを含む地域への影響の評価の不足、環境が非常事態に陥った場合の緊急時対応策の不足への憂慮を挙げていた。　

　当局はこれらの問題はすべて2番目のEIAで対処されていると主張したが、ティア・マリア・プロジェクトに反対する人びとは、この評価は独立した専門家の視点を考慮に入れておらず、影響を受けるコミュニティとの適切で重要な協議がなかったという彼らの憂慮を表明した。

　アムネスティ・インターナショナルは、以前にペルー当局が、どのようにして治安機関がデモ参加者に対して、しばしば死を招く結果となるような過剰な力の行使を展開したのかを明らかにしている。過去4年間だけで、約40人が警察の過剰な力の行使だと見える状況で死亡している。

　これらの事件の圧倒的多数はいまだ調査されていない。4月29日、2015年1月に送付したアムネスティからの手紙の返答として、ペルー検察官事務所は、前回の抗議行動中に警察の過度な力の行使が原因と思われる2人の個人について2つの公開調査のみを開始したと話した。これはアムネスティが検事官に提出した約40人もの名前のリストのうち1人しか含んでいない。

　4月、数人のデモ参加者を陥れようとして警官が「証拠」を仕掛けるところを示したビデオがソーシャル・メディアに発表され広まった。当局は5月9日この地域に軍を配備した。

(以下省略)