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エルサルバドルは妊娠中絶が完全に禁止されている世界でほんの一握りの国の1つである。複数のケースにおいて、流産した女性が殺人で起訴され刑務所に入ることになる。デニス・ムノス・エスタンレー弁護士は、彼女たちを守ることを自分の義務としている。
イサベル・クリスティーナ・キンタニーリャがエルサルバドルのサンミゲルの病院のベッドの激痛で目覚めたとき、彼女が最初に気付いたのは、隣に立っている警官の青い制服だった。
クリスティーナは妊娠約40週目のときに意識を失い、出血し血まみれのところを彼女の家族によって発見された。警官が病院で彼女に尋問を始めたとき彼女はほとんど意識がなかった。分かったのは自分がお腹の子を失ったこと、そして殺人罪で起訴されたということだけだった。
すぐに、彼女の物語は全国ニュースになった。クリスティーナは2005年8月、悪質な殺人罪で30年の拘禁刑という判決を受けた。
国全体は、3歳の子どもが自宅で待っている19歳の女性に非難の矛先を向けた。法科の学生デニス・ムノス・エスタンレーは若い女性の厳しい試練に衝撃を受けた。
「私はクリスティーナの話を聞いて衝撃を受けました。数年後、ある友人が彼女に対する完全な判決文を私に渡し、彼女には弁護士がいなかったと話しました。私は判決文を読み、胎児の死因がはっきりしていないときにさえ、だれでも有罪判決を受けることに非常に驚きました」とデニスはアムネスティに話した。
彼は地方の女性刑務所でクリスティーナを見つけ、彼女の弁護士として務めると申し出た。それは裁判所と政府当局との2年におよぶ長く困難な法廷闘争の始まりだった。クリスティーナの刑期は大幅に減刑された後、2009年にやっと釈放された。
「彼女は不公平に有罪判決を受けている、そしてそもそも決して獄中にいるべきでないと私はずっと思っていました。彼女が釈放されたとき、私は幸福で圧倒されました」とデニスは話した。
この勝利でエルサルバドルにおける女性の権利のための闘いでデニスの名前がよく知られるようになった。
妊娠中絶の非犯罪化のための市民グループの活動、そしてそのデニスの活動はますます認められている。最も貧しい階層の女性たちすべて、同じ状況で投獄された、他の女性のケースを顕在化するその決意のために。
タブー
妊娠中絶はエルサルバドルではあらゆる状況でも禁止されている。胎児が生存する可能性がなくても、女性の生命や健康が危険であっても、妊娠が強かんの結果であっても。
2014年4月、妊娠中絶の非犯罪化のための市民グループは17人の女性を赦免するためのキャンペーンを開始した。彼女たちはクリスティーナのように、妊娠に関係する問題に関連して長期の拘禁刑を受けていた。彼女たちは最大40年の拘禁刑に服しており、彼女たちのケースは構成な裁判やその他の権利について深刻な懸念を生じている。 |
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デニスは「ベアトリス」の代理人を受けた後、世界的に有名となった。彼女は自分の命を救うために必要な医療を受けられるように当局との痛ましい長期間の闘いを耐えた女性である。
彼女の妊娠は、狼瘡(ろうそう)と腎障害を含む彼女が既にかかっていた重篤な疾患の悪化によって、彼女の生命を危険に晒していた。胎児は脳と頭蓋骨のかなりの部分を欠いており、出生後数時間あるいは数日後以上は生きていけないと思われた。およそ2カ月間、エルサルバトル当局は、彼女の命を救う治療を提供することを拒否し、ベアトリスの健康は悪化した。結局、最終的には早期帝王切開に同意した。
デニスは現在ベアトリスの厳しい試練がこの国で最もタブーである問題のヴェールを上げるのを助けたのだと信じている。
「エルサルバドルは非常に保守的な国です。情報は信仰の観点から操られます。ある女性が18人の男性たちによって強かんされても、神がそのように決めたので、彼女は出産しなければならない、と彼らは言います。」
「これは貧しい女性に対する魔女狩りです。2リットルの血液を失って死ぬかもしれなくても、検察官と裁判官は女性たちが英雄でなければならないと考えます。彼女たちは新生児の世話をしなければなりません、たとえ意識がなくても。彼らは、女性が完全に非現実的な方法で行動することを求めているのです」とデニスは説明した。
国で最も議論を引き起こす問題の1つを取り扱って以来、デニスは彼を「妊娠中絶弁護士」と呼ぶマスコミや世論の批判に直面している。
批判にもかかわらず、彼はいつもなぜ自分がこの仕事をするのかその理由に集中しようとしている。
「私には娘がいます、そして多くの女性の友人や同僚も。私は、彼女たちのだれにもこのような状況に遭って欲しくはありません。だからこの問題に非常に敏感なのです。私はこの問題に取り組み続けます。なぜなら私は女性たちが正義を受けられないことに我慢がならないからです。」
事実
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1998年以降妊娠中絶はいかなる場合でもエルサルバドルで禁止されている。1973年刑法以前は、妊娠中絶は女性の生命、強かん、深刻な胎児の異常の危険がある場合には犯罪ではなかった。
○ラテンアメリカとカリブ海の7つの国ではいかなる場合でも妊娠中絶を禁止している。
チリ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ハイチ、ホンジュラス、ニカラグア、およびスリナムである。
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2014年5月、チリは、女性の生命に危険がある場合あるいは胎児が生存できない場合に強かんのケースにおいて妊娠中絶を認めるという法改正を検討していると発表した。
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