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オーロラ・コラソン・A・パロン医師の拷問との長年にわたる闘いは、彼女自身の拘禁中の経験から形作られている。アムネスティ・フィリピン支部を7年間率いた後、彼女は現在フェルナンド・マルコス政権(1972-1986年)中の拷問を受けた人びとのために正義を追求している。パロン医師は彼女の活動とアムネスティの「拷問なんて、いらない」キャンペーンが人びとの生活をどのように変えることができるのかを私たちに語った。
あなたはどうやって「活動家の医師」となったのですか?
卒業後、私は地域医療の現場へ行き、地域保健員となれるように貧しい村の人びとを訓練しました。この訓練で医師が全くいないときでも、お互いが助け合えるかもしれません。
私は1982年4月に私の診療所を始め、その3カ月後に反政府主義者を治療した容疑で逮捕されました。警察は令状なく私の診療所の強制捜査を行ない、注射器や針といった医療機器を押収しました。
私は1年半拘留され、その間に独房拘禁されたこともあります。彼らは私に身体上は拷問をしませんでした。それは主に精神的拷問でした。
釈放後、私は、医療行動グループという人権侵害の被害者に医療サービスを提供する医療専門家の団体に参加しました。最初私たちは感染症を治療しました、次に拷問の犠牲者とその家族のために、生物心理学的サービス(生物学的、心理学的そして社会的な要素の関連において健康を調べる治療アプローチ)を開発しました。
私は6年間医療行動グループの事務局長を務め、次に被拘禁者特別委員会(人権侵害を記録する団体)で働き始めました。私は2007年にアムネスティに参加しました。
医師は、拷問の生存者に正義を保証するためにどんな手助けができますか?
普通拷問に目撃証人はいません--被害者と拷問者を除いては。しばしば拷問の生存者は信じてもらえず正義を手に入れることができません。なぜなら彼らは証言や文書による裏付けがないからです。
医師は、医学的そして心理学的な試験を行なうこと、そして拷問に関するすべての証拠も記録することにより、手助けできます。それから医師は法廷で証言できます。十分な証拠で事件に臨み、加害者に有罪を宣告して処罰し、被害者に正義を保証する可能性を増やします。
あなたは最初どのようにアムネスティと接触しましたか?
私が最初にアムネスティと「出会った」のは拘留中でした。政治囚の中に、農民でアムネスティ会員からカードと手紙を受け取った人がいました。彼らが英語を読めなかったので、私は手紙の意味を説明し、彼らが返事を出す手助けをしました。
手紙によって、人びとが知ってくれている、私たちの状況について関心を持っていると分かり、私たちのやる気を高めました。看守はそれらの手紙を調べ、中を読みます。彼らは世界が見ていることを知ったのです。
それらの手紙によって看守の態度が変化しました。彼らは敬意をもって私たちを取り扱うようになりました。フェルディナンド・マルコス大統領の独裁政権期間、フィリピンの外の人びとと接触することは非常に重要でした。外国の人びととの連帯は、人権と自由のために闘い続ける強さを私たちに与えました。 |
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1人のアムネスティ会員、エリック・ブロッホというデンマーク海軍のキャプテンから頻繁に手紙が届き、後で友人になりました。私は彼と連絡をとり続け、何年も後にデンマークでの人権会議でようやく会えたときには非常に興奮しました。活動家としてあなたは他の人の権利を守ります。そうする中で、あなたはあなたの人生の一部となる人びとに会います。なぜならあなたたちは同じ旅をしているからです。
アムネスティの新しい「拷問なんて、いらない」キャンペーンへのあなたの望みは何ですか?
拷問からの自由は絶対的な権利であるとする、拷問禁止条約があるという事実にも関わらず、拷問は続いています。フィリピンでは2009年から拷問禁止法があります。しかし今日まで拷問で有罪判決を受けた人はいません。
私たちは政府に、拷問を防止し、加害者が自らの犯罪の責任を取ることを確実にする義務があることを、思い出させ続ける必要があります。
私たちが拷問生存者の話を人びとに広めることができるよう私は願っています。アルフレダ・ディスバロのような話を。彼女の話はフィリピンの多くの女性や男性の経験の1つです。彼らは無名のままで正義へのアクセスがありません。
アムネスティのサポーターが、フィリピン政府がアルフレダを拷問した人を処罰すること、そして拷問が再び起こるのを防ぐメカニズムを創設することを要求するよう私は望みます。もしアムネスティ運動に関わるすべての人が一緒に活動するなら、私たちは本当に変化を起こせるでしょう。
現在パロン医師はフィリピン人権侵害犠牲者苦情委員会のメンバーである。他国の真実和解委員会と同じく、戒厳令期間中に犯された人権侵害を認識し、犠牲者に賠償金を支払う任務を持っている。
アルフレダの物語
アルフレダ・デスバッロはフィリピンのケソン市のシングルマザーである。彼女は自宅近くのインターネットカフェにいたとき、警官が彼女を呼び止め、彼女が麻薬取引を行なっていると言った。彼女はこのことを否認し自発的に自分のポケットを空にして携帯電話と5ペソ硬貨1枚を見せた。
そしてこの警官は銃を彼女に向け、彼女の胸部を殴り、手錠をかけ、警察署に連行した。彼女に犯罪を自白するよう強制し、彼女曰く、上級警官が彼女を壁に押し付け、彼女の腹部や顔を繰り返し殴った。警棒で彼女を殴り、彼女の目に指を突っ込み、平手で叩き、彼女の口にモップを突っ込み、彼女の頭を壁に強く打ち付けた。
アルフレダはこれら殴打の後の痛みのために食べることができなかった。数日間は息をするのも困難で嘔吐し続けた。現在彼女は違法薬物を売買および所持していたとして起訴され地元の刑務所で裁判を待っている。彼女は医療関係者によって診察を受けたが、警官による拷問への申し立ては調査されていない。
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