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世界的な武器貿易が正義といった単純なことによって妨げられることはめったにない。深刻な人権侵害を行なう国のために、武器を運ぶ死の貨物が毎年海を越えている。アムネスティ・インターナショナルのキャンペーンナーであるブライアン・ウッドは国際的な武器貿易条約がどのようにこれを変えることができるかを説明する。
2008年4月、争点となったジンバブエでの選挙後、ジンバブエ軍の軍人は、野党に投票したと疑われたすべての人を殴打し、拷問し、殺害した。その結果少なくとも200人が死亡し、数千人が負傷、数万人が失踪した。
数週間後、ジンバブエ国防軍のための武器3,000ケース以上を運んだ、中国船・安岳江が南アフリカに到着した。南アフリカ国営企業であるABロジスティクスの助けを借りてジンバブエに輸送するために、北京のポリ・テクノロジー社によって輸出されたこの貨物は、武器、弾薬、ロケット弾、爆弾を含んでいた。その時の隣国の苦況を知る、南アフリカの一般市民は抗議のために立ち上がった。
南アフリカの労働組合、教会、人権団体そして弁護士たちは貨物がジンバブエに届くのを止める緊急キャンペーンを開始した。港湾労働者たちはすべての港でこの貨物の取り扱いを拒否した。そしてその後の裁判所命令は貨物が国を通過することを阻止した。国内の労働組合に動員されたモザンビーク、ナミビア、アンゴラの港の運輸労働者たちは、すぐその後に続いた。
人権団体とキャンペーンナーたちはアフリカ、EUそして米国の政府にその貨物を止めるように北京に求めるという行動を要請した。そして2008年5月、アンゴラで貨物が積み下ろされたという報告があったが、安岳江号は軍用の貨物とともに中国に戻ったと報告されている。
南アフリカの労働者による勇気あるたぐいまれなデモンストレーションは、世界中で大きく報道され、深刻な人権侵害を犯したジンバブエ政府やすべての国に強いメッセージを送った。
しかしながら、このように国に武器を運ぶこの船は免責を受けて運航し続けている。
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エジプトにおける民衆蜂起の中で、治安部隊はデモ参加者に対し何度も過度の、そしてしばしば死に至るほどの力を行使している。催涙ガス、放水砲、散弾銃、自動小銃、ゴム弾そして実弾が、抗議行動を鎮圧するために使用されている。2011年12月から2012年2月までの間、エジプトの主要武器提供国である米国は、349トンの軍装備品を載せ少なくとも7回の武器輸送をエジプトに許可している。
シリアでは、2011年3月に始まった大規模デモ以降、7,000人以上が殺害されている。シリアの治安部隊と軍は、戦車やさまざまな武器、弾薬を使用して、そしてしばしばデモが起きた町や市の民間人が住む地域に発砲することで、抗議行動を容赦なく鎮圧している。通りで負傷者を助けようとする人びとは、狙撃兵によって狙われた。2月、ホムス市バブアムル地区は大量に砲撃され、逃げる手段のない絶望的な住民がとり残され、必要最低限の設備も失った。
この残酷な弾圧の最中に、ロシアの兵器輸出公社ロソボルノンエキスポート(Rosobornonexport)によって販売された武器、弾薬、爆薬35〜60トンを載せたロシアの貨物船が、シリアのタルトゥース港に接岸したとの疑いがある。その場所にロシアは海軍基地を2012年1月から持っている。ロソボルノンエキスポート社はその貨物の所有者であるという報告に肯定も否定もしていない。
もし国連加盟国が今年有効な武器貿易条約に同意できたなら、深刻な人権侵害を行なう国ぐにへの武器移転は妨げられるかもしれない。交渉は、7月2日から27日まで国連で行われ、変革のための歴史的機会となるだろう。多くの問題を抱えて、私たちは人権の安全措置はこの条約の核であることを保証しなければならない。数十万もの命を救う助けとなるだろう。
各国はすべての武器移転において厳格な危険評価を行ない、それらが深刻な人権侵害を行なうもしくは促進するために使用されるかもしれない場所に運ばれるのを妨げる必要があるという、条約をアムネスティは強力にキャンペーンをしている。
3月、私たちは100日間アクションというキャンペーンを開始した。この条約は武器移転によって残虐行為が激化することを止めることを保証するよう政府に要請する世界的なアピールである。6月11日から17日まで私たちの世界的行動週間で、私たちは政府に最後の圧力をかけ、人権のために立ち上がり声を上げるように要請するつもりである。
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