政治的指導者は、直ちに行動し、不法な殺害、強かん、略奪および誘拐が続くコンゴ民主共和国(DRC)への武器供給を中止しなければならない、とアムネスティ・インターナショナルは本日発表した新しい報告書の中でこう語った。

その報告書『お前が抵抗すれば、我々はお前を撃つ』では、コンゴ軍および武装グループが、武器や弾薬が簡単に入手可能なために、いかにして深刻な人権侵害を行なうことができるかを浮き彫りにしている。

「DRCの状況は世界中の政府に、7月に国連で最終交渉が行なわれる包括的な武器貿易条約(ATT)における合意が緊急に必要であることを明らかにしています。」とアムネスティ・インターナショナル･アフリカ副部長ポール･リゴーは言った。

アムネスティの報告書はコンゴ治安機関における根本的な欠陥のためにどのように武器と弾薬の持続的な乱用および流用を許してきたか、そしてそれが軍や武装グループによる進行中の深刻な人権侵害や人道法違反、暴力に繋がったのかを示している。

「人権保護措置が整うまで、各国はDRCのような軍装備品の供給が、市民への深刻な人権侵害や攻撃を行なうあるいは促進するために使用される危険性が高い国ぐにへの軍装備品の移転を終わらせるべきである。」とアムネスティのアフリカ副部長ポール･リゴーは話した。

近年、さまざまな武器、軍需物資および関連する備品がDRC政府に供給されている。その中には小火器、弾薬、催涙ガス、装甲車、大砲および迫撃砲が含まれている。

DRCへの主な武器の供給者は中国、エジプト、フランス、南アフリカ、ウクライナ、および米国である。

武器移転の調べを受けた大部分のケースでは、これらの武器はDRCにおける深刻な人権侵害や戦争犯罪に使用されるかもしれない持続的危険性にもかかわらず、供給国は許可をしていた。

DRCへの現在の武器禁輸の強化に加えて、政治的指導者は強力な武器貿易条約に同意しなければならない。

アムネスティは、供給国は提案された武器移転について厳格な個別の危機評価を保証する必要があると武器貿易条約に要請している。

供給国は、武器が所定の受け手により国際人権法あるいは国際人道法の重大な侵害を犯すか促進するために使用される可能性があるという相当な危険性があるかどうかを確認しなければならない。

その危険性の高い場所では、危険がなくなり保護措置が整うまで、供給国は移転を中止しなければならない。

「あと3週間足らずで始まる武器貿易条約の最終交渉で、各国政府は起きたことを保証する歴史的な機会なのです」とポール･リゴーは話した。

DRC軍(FARDC)高官は、しばしば軍と敵対する勢力を含む武装グループに武器を売ったり、譲与したりしている。また武装グループは頻繁にFARDC部隊が戦闘地域から撤退する際に残された武器と弾薬を入手する。

5月の相次ぐ軍撤退の後、FARDCはある大佐に弾薬でいっぱいのトラックと補給品のための数万ドルを預けた。彼は軍を離脱し、武器とお金を持って新しい武装グループに加わった。

いつものように市民は管理の欠如、武器の転用、そして免責といった恐ろしい費用を負担するのである。

2008年10月、人民防衛国民会議(CNDP)はキワンジャの町を攻撃し、民間人150人が死亡した。ルマンガボの町東部のFARDC軍補給廠が略奪され、多量の武器が押収された数日後のことだった。CNDP部隊は家々を回って若い男性たちを引きずり出し、刺し殺したり、頭や胸の上部を撃ったりした。

当時のCNDP指導者のローラン・ンクンダは2008年のアムネスティとのインタビューで、こう誇らしげに宣言した。「私はルマンガボを2回奪った。我々はルマンガボで奪った武器の数を数えることはできない。多すぎるからな。」

「(略奪の)1回目の後に、FARDCは再び補給廠を、対空砲と対戦車砲といったすべての口径の武器でいっぱいにした。それらを私にくれたのは政府だ。私はこれらすべての武器をFARDCに与えた中国にお礼を言いたい。」

また政府軍への武器移転も、大規模な強かんとその他の性暴力を含むより多くの人権侵害を支えている。2010年12月31日から2011年1月1日まで、FARDC兵士たちは北キヴ州ブシャニ村を攻撃した。兵士たちは16歳から65歳までの約50人の女性を強かんした。威嚇射撃をし、抵抗すれば殺すと脅した。

その後現場で発見された弾薬カートリッジのいくつかは中国で製造されていた。

この問題はDRC東部だけで行なわれているわけではない。他団体とともにアムネスティは2011年11月の大統領選挙と国政選挙の前後に首都キンシャサでコンゴの治安機関、とくに共和国防衛隊によって犯された、不法な殺害、拷問、恣意的逮捕を含む、深刻な人権侵害を発表した。

「DRCに武器を供給してきた国ぐには厳しい危険評価を行なわなければならないはずです。これは国際法の下で罪を犯したすべての勢力が使用した武器供給の流れを避けるでしょう」とポール･リゴーは話した。