コンゴ民主共和国のコンゴ軍メンバーによる新たな大規模な強かんは、人権侵害を行なった者を裁きにかけていないという政府の失策の結果である、とアムネスティ・インターナショナルは本日語った。

6月11日夜コンゴ軍に統合された元武装集団の戦闘員たちが軍訓練所を脱走し、東部フィージの町近くのンヤキエレ村の襲撃中に、最大100人の女性を強かんしたという新しい報告が明らかになった。

この武装集団メンバーは以前も2011年1月に同じ地域で大規模な強かんに関与している。

「自国の軍や武装集団のメンバーを国際法の下で犯罪を裁きにかけられないというコンゴ民主共和国の無力さは、市民に対するさらなる攻撃をもたらし、免責の文化を助長しています。」と、アムネスティ・インターナショナルのアフリカ部長アーウィン・バンデール・ボーグは話した。

地元情報筋によると、コンゴ軍高官であるキファル・ニラギェ大佐は、南キヴのカナンダ軍訓練所でのトレーニング・コース終了後に自分が降格されることになると知った。

彼は伝えられるところによると逃亡し、6月9日約150人の自分の兵士たちと一緒に訓練所を離れた。このグループはンヤキエレで強かんと略奪を続けた。また彼らはこの地域の他の村も襲撃し、市民は盗んだ物を強制的に運ばされた。

キファル大佐の副官と他の8人の男性は、2011年1月上旬のフィージの町への攻撃で少なくとも60人の女性を強かんしたとして、2011年2月に「人道に対する罪」で軍事裁判所によって有罪となり投獄された。

2010年7月と8月に北キヴで300人以上の女性、男性、少年、および少女が組織的に強かんされたという残虐行為の捜査は、ゆっくり進展している。

アムネスティ・インターナショナルは、国際水準に沿った、これらの犯罪を実行者に対する、迅速、十分、独立かつ公平な捜査を要請する。これには十分で適格な証拠があり、起訴されたこれらの犯罪の容疑者に死刑が適用されないことが必要である。

政府は直ちに捜査中および捜査後の被害者および目撃者の保護を保証するために有効な措置を取らなければならない。また被害者に遅滞なく医療とトラウマのカウンセリングを提供しなければならない。

コンゴ民主共和国で1993年から2003年までに犯された暴行を記録した、昨年発行された国連マッピング・レポートは、コンゴの司法制度の弱点が人権侵害の真実、正義、および償いを保証するための重大な障害であると指摘している。