アムネスティ・インターナショナルは、コンゴ民主共和国(DRC)政府に対し、人道に対する罪で軍司令官の有罪判決が出されたことを受けて、司法制度改革を促進するよう要請する。

　キビビ・ムトワレ中佐は、1月1日DRC東部のフィージの村の襲撃を命じたとして懲役20年を言い渡された。その襲撃の際には35人以上の女性が強かんされた。

　「この判決は正しい方向に向かう第一歩です」とアムネスティのDRCキャンペーナーであるクレア・モルクレッテは話した。「何十年間もこのような犯罪はDRCでは処罰を免れ、加害者たちは裁きを受けてきませんでした。この国の著しい人権侵害の被害者が正義を受けるよう保証するために、やるべきことが数多くあります。」

　アムネスティによると、軍メンバーによって犯されたこれらの事件を含む、国際法下の犯罪の管轄は民間法廷に移されるべきである。この国の悲惨な刑務所の状況に取り組む必要があり、この地域特有の汚職や頻繁に起こる脱獄に歯止めをかける必要がある。

　DRCで被害者やその家族の正義を求める意志はしばしば報復の恐怖によって攻撃されている。フィージ襲撃の多くの被害者が証言のために現われたとき、コンゴ民主共和国軍(FARDC)の兵士たちによる脅迫や威嚇が報告されている。

　「もしフィージ裁判がFARDC軍によって犯された最近の他の同様の人権侵害を含む、免責に対する闘いに関してプラスの影響を持つのならば、当局は直ちに目撃者と犠牲者に保護メカニズムを導入しなければいけません。」とクレア・モルクレッテは話した。

　「正義がDRCで達成されたなら、当局は直ちに長期および包括的改革を目的とする司法制度への歳出を増やさなければいけません。」

編集者のためのノート

　2011年1月1日、南キヴ州のフィージでFARDCの兵士の集団が、村の住民への報復攻撃を行なった。この事件は兵士と住民の間で乱闘が起き、兵士が1人殺害された事件の後で起こった。

　軍の襲撃で、少なくとも35人の女性が強かんされ、住宅は略奪され、村人たちは非人道的で品位を傷つける取り扱いを受けた。村の住民の多くが襲撃の後村はずれまで逃げた。

　この出来事は即座に国際的注目をひき起こした。生存者や目撃者による報告のおかげで襲撃を指揮したキビビ・マトワレ中佐が起訴された。

　キビビ中佐を含む11人の軍人は1月に逮捕された。2011年2月10日、11人の兵士に対する裁判はフィージ近くのバラカという町の軍事裁判所で始まった。この裁判は国際的機関によって資金を供給された。

　2月21日、軍事裁判判事はキビビ中佐と3人の別の兵士に人道に対する罪で懲役20年という有罪判決を下した。さらにその他5人の兵士が懲役10〜15年の判決を受けた。

　1人の兵士は無罪となった。そして裁判所は11番目の未成年と思われる被告を裁くことができなかった。