イドゥヴィーナ・ヘルナンデス Q&A

 
         

イドゥヴィーナ・ヘルナンデスは1970年以降グアテマラで人権のためのキャンペーンをしている。人権団体SEDEMの創設者かつ代表として、彼女はグアテマラ政府に30年におよぶ内戦期間中に犯された人権侵害の真実を明らかにするように活動している。彼女や家族への危険にもかかわらず、彼女は一人ではないと知ることで、活動を続ける勇気をもらっている。

Q.
あなたが人権へ関心を持つようになったきっかけは何ですか?
A.
私の人権への関心はグアテマラが残忍な内戦に陥った1970年代に始まりました。内戦はその10年前から始まり、1996年の和平合意の調印で終了しました。当時、大学で学生運動をしていた私たちは、最も基本的な人権である生存権が国家によって完全に無視されている状況において、グアテマラにおける人権の擁護と保護のために闘うことに決めました。

1980年代には、私は亡命しなければなりませんでしたが、私はジャーナリストとして人権のために働き続けました。私は中米から亡命した人びとと難民への迫害に取り組みました。グアテマラに戻ると、私は、ジャーナリストとして働き、2000年までいくつかの市民社会団体で働きました。そして私は仲間たちと、民主主義の下の安全(Seguridad en Democracia, SEDEM)を設立しました。私たちの目的は、人権のために取り組み、闘うことでした。私たちは、人びとに、すべての人を保護することは国の義務であることを理解して欲しいです。

すべての人は、脅迫を受けず、あるいは危険に陥らずに、自らの権利を行使できるべきです。私たちは記憶、真実、そして正義を促進することに全力を傾けています。

Q. グアテマラの人権のための闘いにおいて主な課題は何だと思いますか?
A.
最大の課題はたぶん免責を止めることです。グアテマラでは、20万人以上のジェノサイドあるいは5万人以上の強制失踪に責任がある高位の軍人は誰も裁判にかけられておらず、有罪となっていません。私たちは他の国たとえばアルゼンチンと比べることができます。そこでは犯罪は裁判にかけられ有罪判決を受けます。このようなことはグアテマラでは起こりません。なぜならこれらの罪を犯した人びとは大きな権力を持っているのです。彼らは裁判所、治安制度、政党、企業、マスコミを支配しています。これらの犯罪者が享受している免責はさらに新しい犯罪者の保護に役立ちます。内戦期間中に人権侵害した勢力と、麻薬密売人や武器商人、現在は政党に資金提供する商人に近い勢力を区別することは非常に困難です。だから課題はこの免責という深く根付いた文化を打ち負かすことです。それは果てしない挑戦であり、大きな危険もありますが、望みは強く持っていますす。


Q. あなたがグアテマラの状況で何か1つ変えることができるとしたら、それは何ですか?
A. 私は過去の人権侵害の情報を含む情報を得るための自由なアクセスが欲しいです。これで、私たちは何が起こったのか、そして誰に責任があるのかといった事実を見つけることができるでしょう。法制度がより強固になり、被害者のために正義がなされることができると保証するでしょう。

Q. あなたの活動はあなた自身の人生や家族にどのような影響をもたらしましたか?
A. まず第一に、自分が信じる何かをするという満足、そして変化をもたらすという満足を私に与えてくれました。私はこの活動に私の人生の半分以上携わっています。グアテマラにおいて人生の現実を変えるために命をささげる人びとへの私の義務を果たすことは、これは私にとって最も重要なものです。私の家族、とくに私のパートナーは明らかに私の安全については恐怖を感じています。しかし彼はまた仕事をする私が幸福であることを喜んでいます。私の兄弟、両親、その他家族はいつも私の活動の、私の受けた迫害の結果とともに生きていかなければなりませんでした。彼らはいつも自分たちの連帯は揺るぎないものであるとはっきりと示してくれています。彼らが私に多くの強さをくれるのです。

Q. 困難なときにあなたがやる気を保つものは何ですか?
A. 私が一人ではないと知ることです。そして、グアテマラにおいて私たちが欲しいと思う民主主義をつくる他の方法はないことを知ることです。

Q. あなたにとってアムネスティは何を意味しますか?
A. 人間への愛のために迫害された人びとに光、支援、親交を与える、世界中の数千もの場所に灯された数千ものろうそくです。いつもだれかを増やしてくれる一つの友好的な手が必要です。アムネスティは沈黙している人のために強く抗議する声なのです。

Q.
本紙の読者へのメッセージはありますか?
A. あなたができる限りの方法で、世界中の人権擁護活動家のために支援してください。

Q. あなたの活動があなたに教えてくれた最も重要な教訓は何ですか?
A. このような人類の連帯は、どのような障害も克服でき、どのような壁も破壊できる、攻撃に対する最高の盾なのです。


wire2010年4・5月号より

         
 活動いろいろ へ戻る