ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジは、コンゴ民主共和国(DRC)における人権擁護活動家の1人であり、人権擁護活動家たちはその仕事のために逮捕、嫌がらせ、脅迫や死にさえも直面している。

　ゴマを拠点とするNGO「民主主義の促進と人権保護」(PDH)(Promotion De La Democratie et Protection des Droits Humains)の代表である彼は、昨年からDRCの活動家やジャーナリストに対する脅迫の増加を直接目撃している。

　先月にはDRC独立50周年の数日前に最も著名な人権活動家であるフロリベール・チェベヤ・バヒジレの葬儀が行なわれた。彼はキンシャサ警察との会合に招集され、その翌日彼の遺体が発見された。

　フロリベール・チェベヤはDRC最大の人権団体の代表であり、警察長官ジョン・ヌムビが関与する多くの慎重に扱うべき問題について働いていた。彼の遺体は6月2日の早朝に彼の車の中で発見された。

　「フロリベール・チェベヤは政治家ではなく、彼は政府にも野党にも反対していませんでした。彼は自由を広げ市民の権利の尊重を促進しようとしていた男性でした。」と、ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジはアムネスティ・インターナショナルを訪問した際に語った。

　「彼はキンシャサやバ・コンゴ（コンゴ中央）州、赤道州の人びとを擁護していました。政治的理由のためではなく、市民的理由のために、そして国や同胞、同じ市民への愛のためにです。」

　ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジはフロリベール・チェベヤ・バヒジレと会い、一緒に仕事をしていた。彼らは2011年の大統領選挙および国政選挙の重要性について国民意識を高めようとしていた。

　「人びとに行動を起こさせるフロリベール・チェベヤの能力や、人権や民主主義の擁護において成功した活動を作りだす彼の能力は、悪意を持つ人びとを動揺されたのかもしれません」と彼は話した。

　「否定的な人びとはフロリベール・チェベヤのような男性を許容できません。それがDRCの人権擁護活動家が恐れていることです。」

　フロリベール・チェベヤの死のニュースを聞いた後、ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジは自分の声を失ったように感じると話した。他の活動家と同じように、彼も不安になりおびえた。

　「偉大な人権活動家の死は人権団体の頭を切ったようなものです」と彼は話した。

　「私たちは人びとがすぐに活動を再開するとは考えていません。もしフロリベール・チェベヤの死と車を運転していた同僚であるフィデレ・バザナの失踪に関係する人間が、本当に裁判にかけられないのであれば、DRCにおける人権運動を破壊するか、意欲を失わせることになることを私たちは恐れています。」

　「この死、フロリベールのような偉人の死のために、他の人たちが人権活動を断念するかもしれないことを私たちは恐れます。殺害される危険があり、殺人者は裁きにかけられず、このような深刻な犯罪が行なわれても真実が明らかにならないならば、なぜ人権を擁護するのかと、彼らは自問するようになるでしょう。」

　彼の仕事の1つとして、ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジは人びとが拘禁されている状態を監視するために拘置所を訪問している。

　また彼はしばしば司法制度の注目から逃れている秘密刑務所（軍諜報部や入国管理局）を訪問し、治安当局に被拘禁者を適切な機関に引き渡すように要請している。

　「いくつかの機関を担当する人びとは、自分たちは司法制度に責任がないと考えています。それは深刻な問題です。治安機関は、逮捕権が裁判官や裁判所の責務であることを考慮せずに人びとを逮捕したがっています。」と彼は話した。

　2002年以降、ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジは彼の仕事のために数回拘留されている。2005年12月、彼と何人かの同僚は誘拐され、ゴマにあるT2軍諜報部拘置所に連れて行かれ、そこで拷問された。彼らはアムネスティ・インターナショナルによるアピールの後、最終的には釈放された。

　「私たちが逮捕され、殴られ拷問されたとき、私たちは他の人びとも同じ方法で取り扱われているのを見ました。とくにT2やシャン・メシャン(Chien Méchant)（ゴマにある別の軍拘置所）で。」

　「あなたがあなたを後ろ手に縛る役人を見れば、彼はあなたをひっぱたきます。あなたが顔を動かせば、彼はあなたをまた叩きます。これは非人道的で品位を傷つける取り扱いです。」

　嫌がらせを受け、脅迫され、恣意的に逮捕され、拷問されているが、ジョゼフ・ドゥニナ・ルエンジはPDHとともに行なう自分の仕事は価値があると確信している。

　「私たちの団体の活動は有益であり多くの被害者たちを助けています。活動がなければ大規模な人権侵害が起きるかもしれない、今よりももっと多く起きているだろうと、私たちは思っています。また私たちはいくつかのケースで治安機関、警察、諜報機関から肯定的な返答をもらっています。もし団体が活動していなければこの状況はもっと手に負えないものであっただろうと私たちは思っています。

　政治家は人権活動をやめさせるために私たちに圧力をかけようとしています。政党に所属せず、どんな特定のグループのものでなく、私たちは法の支配を確立する助けをしたい、そして人権を尊重する国を造りたいだけです。」た。